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コラム

離婚

離婚にあたり障害がある子の成人後の養育費の合意をした事案

事例まとめ

案件概要

Aさん(女性)は,夫のBさんと長年にわたって別居をしていました。Aさんのお子さんであるCさんには障害があり,高校を卒業しても,就労することは困難であることが予想されました。Aさんは,Bさんとの離婚を望んでいたものの,今後Cさんを養育し続けることに不安を感じられていました。Aさんから相談を受けた弁護士は,Cさんの経済的自立が困難であること等を主張し,Bさんから,Cさんが成人に達した後も養育費を支払うとの合意を取り付けることが出来ました。

関係者

Aさん:妻

Bさん:夫

Cさん:子供,障害あり


相談時

テキスト・テキスト

Aさんは,同居時にBさんからの暴言・暴力に悩まされており,Bさんと離婚の話し合いをすることを大変怖がられていました。Bさんは,Aさんとの離婚には概ね同意していたものの,将来の養育費支払い等には難色をしめしていました。また,Bさんは,気に入らないことがあると,Aさんへの毎月の生活費の支払い額を少なくしたり,支払時期を遅くしたりして嫌がらせをしていました。
Aさんは,離婚はしたいものの,Cさんの成人後もCさんの養育費の支払いを受けられなくなれば,将来Cさんの生活が成り立たなくなってしまうと考え,弁護士事務所に相談に来られました。

解決のポイント

解決のポイント①~早期の調停申立~

Bさんは,自分の思い通りにならないことがあると,Aさんに渡す生活費を少なくするといった嫌がらせをしてきていました。そこで,弁護士は,Bさんと直接交渉しても,Bさんから嫌がらせを受け,思うように話し合いを進めることはできないと考え,直ちに離婚調停を申し立てることにしました。

 

解決のポイント②~障害の程度の説明~

Bさんは,Cさんと長年別居していたため,Cさんの障害の程度を十分に知りませんでした。そこで,弁護士は,Cさんの療育手帳における障害の程度の判定や,特別支援学校における就学状況等を主張することで,Cさんの経済的自立の可能性が乏しいことを主張しました。すると,BさんもCさんが将来経済的に自立する可能性が乏しいことに納得し,Cさんが成人に達した後も養育費を支払うことに同意しました。

当事務所の活動

当事務所の活動

弁護士は,上記解決のポイントの通り,Cさんの経済的自立が困難であること等を主張し,Bさんから,Cさんが成人に達した後も養育費を支払うとの合意を取り付けることが出来ました。

担当弁護士のコメント

担当弁護士のコメント自分が働けなくなったら,子どもの生活はどうなるのだろうということは,お子さんに障害があれば,当然心配になることです。Aさんも,度々,Cさんが将来できるだけ困らないようにしてあげたい,と言われていました。


養育費が支払われるのは,18歳または20歳までとされることが多いものです。しかし,お子さんに障害があって経済的自立の見込みなない場合にも,同じようにしてしまうと,将来お子さんを経済的苦境に陥れてしまう可能性もあります。そのため,離婚をするにあたって,お子さんが成人に達した後も養育費を支払う旨の合意をしておくことが重要となるのです。

今回のケースでは,Bさんは自らの老後の生活を気にしており,なかなか20歳を過ぎても養育費を支払うことに同意しませんでした。そこで,Aさんとしては,Aさんの収入が少なくなってもCさんの面倒を見ないわけにはいかないこと,実の父親であるBさんにもCさんを扶養する義務があることを粘り強く主張しました。その結果,Bさんに,Cさんが成人に達した後も養育費を支払うことに同意してもらうことができました。

※プライバシー保護の観点から事案の本質(争点、判決やどのような解決したか)に反しない範囲で事実関係を一部変更している場合があります。

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