2022.7.21 相続・遺言
相続・遺産分割に関する事例紹介
事案まとめ
案件概要
母親が死亡し長女が遺産分割の相談に来られました。相続人は父親と弟の3人ですが,長女は両親の家の隣に住んでいる弟が母親の資産を一部隠しているのではないかとの疑いを抱いておられました。
交渉結果
長女から委任を受けて裁判所に母親の遺産分割調停の申立てを行いました。
調停の中で母親の資産を調査したところ,銀行3社と現金合計で1400万円が資産としてあることが判明しました。
ただ,長男は,約20年前に長女が家を新築した際に両親から2000万円の援助があったことから生前贈与に当たると主張してこられました。
長女は20年前に家を建てる時に2000万円を受け取ったことは事実であるが,父親から2000万円銀行に振り込んでもらったものであり,母親の資産からは1円の支払いもなかったと預金通帳や家計簿を見せて父親からの支払いであることを主張し,父親も自分の資産から支払ったと証言したことから,長女の主張が認められました。
母親の遺産分割は,父親が2分の1,長女が4分の1,長男が4分の1の割合で分割することで調停が成立しました。
相談時
生前贈与に関しては特別受益として,当該贈与が相続財産の前渡しとみられる贈与であるか否かを基準にしながら相続人間の公平を考慮して判断されます。