2022.7.26 相続・遺言
相続・遺産分割に関する事例紹介 2
事案まとめ
案件概要
父親が死亡しため遺産分割の相談で二男が相談に来られました。
母親は死亡しており相続人は長男,二男,長女の3人ですが,長男が生前贈与を受けているのにそれを認めなくて話し合いが進まないので遺産分割の交渉の依頼に来られました。
交渉結果
二男から委任を受けて家庭裁判所に遺産分割の調停の申立てを行いました。
長男が父親から15年前に2000万円,10年前に1000万円合計3000万円の金額の借用書が父親の自宅から見つかりました。長男は借りていないと否定をしたが,父親に返済したことを裏付ける資料もありませんでした。
父親が住んでいた家は時価の査定をして土地1500万円,建物200万円と査定されました。銀行預金は4000万円,現金500万円の合計6200万円が現在の遺産と判断されました。
調停では話がつかず審判となりました。
審判の内容は,
1.遺産の現在価値は6200万円
2.特別受益額(生前贈与等)
申立人(二男)2000万円
長男 3000万円
長女 500万円
3.みなし相続財産の価値
1億Ⅰ700万円
4.特別受益による具体的相続分
1億Ⅰ700万円÷3=3900万円
申立人 3900万円―2000万円=1900万円
長男 3900万円―3000万円=900万円
長女 3900万円―500万円=3300万円
5.裁判所の定める分轄方法
申立人 銀行預金の内から1900万円を取得する
長男 銀行預金の内から400万円を取得し,現金500万円を単独取得する
長女 土地・建物を単独取得し,銀行預金の内から1700万円を取得する
上記内容で決まりました。